【コラム】弁護士では“恨み”を解決できません!
最近、某保険会社が
「絶対に許せない。弁護士を立てて訴えてやりたい!だけど費用的に無理・・・という時代は終わりました。」
というコピーで、保険勧誘を行っていることはご存知でしょうか?
実は、SNSでよく見かける広告です。
まず最初にお断りしておきますが、上記コピーが違法なので問題がある!といった話題ではありません。
あくまでも私の感じ方ですが、このコピーの影響を受けた依頼者より「相手が許せないから、訴えたい!」、「弁護士費用は保険で賄えるから大丈夫!」と言われた場合、おそらく私はドン引きしますし、受任に消極的になると思います。
なぜなら、我々弁護士ができるのは、「法的権利が成立しているのであれば、その実現に向けてお手伝いしましょう」というだけであって、「許せない」という感情問題など解決できないことを知っているからです。
こういってしまうと、何だかカタイ話をしているな…と思われるかもしれません。
たしかに、私もその点は理解しています。
ただ、弁護士的には、依頼者が主観的に満足を得られるラインと、法的に認容されるラインとに著しいギャップがあった場合、色々と厄介なことが起こるだろうなと正直思ってしまいます(おそらくこのように考える弁護士は多いのではと推測します)。
なお、上記とは別の理由で、某保険会社を利用した案件受任を断る弁護士は一定数存在するようです。
紙幅の都合上、理由は省略しますが、この保険を利用して受任した一部弁護士より“恨み”をかっているとか。。。
弁護士 湯原伸一
「リーガルブレスD法律事務所」の代表弁護士。IT法務、フランチャイズ法務、労働法務、広告など販促法務、債権回収などの企業法務、顧問弁護士業務を得意とする。 1999年、同志社大学大学院法学研究科私法学専攻課に在学中に司法試験に合格し、2001年大阪弁護士会に登録し、弁護士活動を開始する。中小企業の現状に対し、「法の恩恵(=Legal Bless)を直接届けたい(=Direct delivery)」という思いから、2012年リーガルブレスD法律事務所を開設した。現在では、100社以上の顧問契約実績を持ち、日々中小企業向けの法務サービスを展開している。
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